「エンジニアは学び続けるのが当たり前」という考えは広く受け入れられています。
そのため「勉強しなければ」という強迫観念を持っているエンジニアは多いです。もちろんずっと楽しく技術の学習に向き合える人もいるでしょう。しかし、技術の勉強にストレスを感じている人もいます。私自身もそうです。
エンジニアとして勉強に疲れを感じるのは珍しいことではありません。「最新の技術を学び続けなければならない」というプレッシャーや、他者との比較で疲弊してしまう人も多いです。
この記事では、勉強の負担を軽減し、自分のペースで学び続けられる具体的な方法を示します。学習へのモチベーションを回復し、無理のない学習を始められるはずです。
まずは疲れを取ることから

まずは学習に対して疲れているということを自覚し、その疲れを癒やすことから始めましょう。
学習に疲れてしまう原因としては次のことが考えられます。
- 明確な目的がない
- 学んでいる内容の難易度が高すぎる
- 非効率な学習になっている
- 他人と比較している
こうした状況では疲れを感じるのも当然です。まずは自分がどういう状況なのか理解しましょう。原因を把握するだけでも気持ちは楽になります。
疲れを取るために、短時間でできるリフレッシュ方法を取り入れることから始めましょう。
- 1~5分のストレッチや深呼吸
- すぐに取り入れられ、即効性があります。
- 10~15分の散歩
- 頭をクリアにするのに最適です。自然のある場所に行くと特に良いです。
- 1時間以上趣味に没頭する時間を作る
- 好きなことに没頭することで脳がリフレッシュします。
疲れた状態で無理に勉強を続けるのではなく、まず自分をリセットすることから始めましょう。
モチベーションを取り戻す方法

疲れを自覚し癒しの行動を取った後は、本格的にモチベーションを取り戻していきましょう。
次のようなことが役立ちます。
- 自分の成長を確認する
- 小さいゴールを作る
- ストレスを自覚する
- 長期的な目標を意識する
自分の成長を確認する
自分の成長を改めて確認してみましょう。
大した変化はないと感じていたとしても、振り返ってみるとできるようになったことがあるはずです。日々の変化が小さいため見落としているだけです。
成長が実感できるとやる気が出てきます。
小さいゴールを作る
小さいゴールを作りましょう。
知らない用語の概要だけ理解するとか、気になるフレームワークのドキュメントの導入だけ読む、といった小さいステップをゴールに設定します。
この繰り返しで大きな目標に進んでいくようにすると、モチベーションが継続しやすいです。
ストレスを自覚する
学習を進める上でストレスは付き物です。
新しいことを学ぶ中で分からないことが出てきたり、思うような進捗が出なかったりすることに不快感を感じてしまうものです。不快感を無意識に先回りして感じ取り、学習に手がつけられなくなることもあるでしょう。
学習へのストレスは想定内のものであり、前に進んでいる証拠だと捉えましょう。逆にストレスのない学習はコンフォートゾーンから出ていないとも言えます。ストレスが大きすぎる場合はステップを細分化しましょう。学習へのストレスを適度に保つことが重要です。
例えば、複雑なwebアプリケーションフレームワークの学習に苦痛を感じるなら、よりシンプルなフレームワークをまずは学んでみるといったことです。教材の難易度を下げるというのも良いでしょう。とにかく自分にとってのストレスが大きくなりすぎないように学習対象の難易度を調整しましょう。
長期的な目標を意識する
長期的な目標を意識することでモチベーションを高めることができます。
目先の学習に意識が向きすぎると、視野が狭まってしまい、学習が上手く進まないときにモチベーションが下がります。具体的なキャリアまで考える必要はなく、エンジニアリングで何を実現したいのかとか、どんなエンジニアになりたいのかとかを考えればいいのです。理想がイメージできると、今やっていることの意味が際立ちます。長期的な視野に立てば、必要な学習内容が見えて、遠回りもなくなるでしょう。
ゆとりを持った学びの進め方

- スモールステップで習慣化する
- 勉強以外の生活を整える
スモールステップで習慣化する
無理のない学習を進めるためには習慣化するのがおすすめです。
ただし、いきなり大きなことを習慣化しないことが重要です。継続的な学習の土台を作るために、すごく簡単なことから習慣化しましょう。
例えば「毎日1時間勉強する」というのをいきなり習慣化するのは難しいです。勉強の習慣がない状態であれば「毎日5分だけ勉強する」や「毎日技術書を1ページ読む」というふうに、ハードルをかなり低く設定しましょう。そんなに少しの行動では意味がないのではと思われるかもしれませんが、まずは習慣を作ることが重要です。1ヶ月ほどして習慣化されたなと感じればさらにレベルアップしていいです。また、5分勉強したらもっと続けたくなった、というような場合はあえて止める必要はないです。
習慣化されてしまえば勉強することが苦ではなくなります。ただし、習慣化はコツコツと行う方が圧倒的に成功する確率が高いため、簡単すぎると感じるレベルのことから始めましょう。
勉強以外の生活を整える
勉強以外の生活を整えることで、勉強が上手くいきやすくなります。
次のようなことを意識するのがおすすめです。
- 睡眠
- 運動
- 瞑想
- 自然に触れる
睡眠
睡眠は全ての活動のベースとなるものです。
頑張っている人ほど軽視してしまっているかもしれません。私自身、寝る時間を削ってでも勉強しなければと考えていたことがあります。しかし睡眠を削ると脳のパフォーマンスは明らかに落ちます。そして睡眠不足によるパフォーマンスの低下は意外と自覚が難しいものです。
私の場合はよく眠るようにしてから明らかに調子が良いことに気付きました。睡眠を重視してなるべく8時間以上は眠るようにしてから、日々の学習の効率が高まり、モチベーションも上がりました。
睡眠を削っている自覚があるなら、睡眠を少し増やしてみてほしいです。適切な睡眠時間には個人差があるため基準を示すのは難しいですが、1週間ほど睡眠時間を増やしてみてどうなるか確かめてみるのがおすすめです。
運動
運動をすることで脳のパフォーマンスが上がります。習慣化することで継続的に学習にプラスの影響をもたらすことができます。
運動の習慣がない場合、まずは短い散歩から始めてみると良いでしょう。外に出て新鮮な気分になることができます。
余裕が出てきたら負荷の高い運動を取り入れるのもおすすめです。特にインターバルトレーニングは試してみてほしいです。体を激しく動かして休む、というのを一定の秒数で繰り返す、というトレーニングです。体を動かした後は頭が働きやすいのが分かります。科学的にもインターバルトレーニングの効果は認められています。タバタ式という方法は、20秒ハードに動く、10秒休む、というのを8回繰り返します。動く部分は全力で動けば何をしてもいいです。腕立て、スクワット、バーピー(腕立てした後ジャンプする動き)、もも上げなど、好きな動きでまずはやってみましょう。
瞑想
瞑想には集中力を高める効果が認められています。
座って呼吸に意識を向けるというシンプルな瞑想を5分するだけでも効果があると言われています。呼吸から意識が逸れたのに気付いたら、再び呼吸に意識を戻すということを繰り返します。
私自身、瞑想を習慣化してから集中力が上がったと感じます。勉強中や仕事中に注意が逸れた時、それに気付いて再び勉強や仕事に意識を戻せることが増えました。
まずは2,3分からで良いのでやってみてほしいです。
自然に触れる
勉強に疲れた時、自然に触れるのもおすすめです。
近くに自然の多い場所があればそこを散歩するだけでもいいです。自然いっぱいの大きな公園があればそこに行きましょう。
勉強に集中していると、限界で頭が働かなくなることがあります。私はそういう時に自然のある場所に行くと回復することが多いです。
自然の効果は科学的にも認められています。
まとめ
この記事では、エンジニアが勉強に疲れたときに実践できる無理のない勉強法の指針を示しました。自分のペースで進む大切さ、簡単なことから習慣化すること、生活全体のバランスを整えることの重要性をお伝えしました。
まずは、自分の疲れを取り、リフレッシュすることから始めてみましょう。そしてゆとりを持った進め方で、勉強以外の生活も整えながら、自分のペースで学びを続けてください。