はじめに
フリーランスエンジニアには自由な働き方ができるという大きなメリットがあります。しかし、自由度の高さとは裏腹にリスクが潜んでいるのも事実です。
この記事では、それらのリスクとその対策について見ていきます。
フリーランスエンジニアが抱える6つのリスク
最初にまとめると以下のようなものがあります。
- 収入が不安定になりやすい: 常に一定の収入を得ることが難しく、収入が途絶える時期もある。
- 保険や福利厚生がない: 社員としての福利厚生を受けることができない。
- スキルのアップデートが必要: 技術の進化についていく必要性が高まる。
- 精神的に孤立しやすい: 一人での作業が増え、人との交流が減少しがち。
- 仕事と私生活の境界が薄くなる: 仕事とプライベートの境界が曖昧になる。
- 契約トラブルの可能性がある: クライアントとのトラブルや未払いのリスク。
それぞれ詳細に見ていきましょう。
1. 収入が不安定になりやすい
最も気になるのはやはり収入だと思います。フリーランスエンジニアは正社員と比べると様々な要因に収入が左右されます。
では、どういった要因が収入を不安定にさせるのでしょうか?
- プロジェクトの状況: 業務委託エンジニアは基本的には何らかのプロジェクトに対してアサインされるケースが多いでしょう。その場合、プロジェクトに一区切りついてしまうと、そのまま契約も打ち切られる可能性があります。例えば、長期的なプロジェクトの予定が上手くいかず急遽打ち切りになるようなこともあるでしょう。その場合、対象のプロジェクトの人員として確保された業務委託エンジニアは契約を短期間で切られることになるかもしれません。
- 今後の競争の激化: フリーランスエンジニアは近年増加傾向にあります。2024年現在ではまだまだエンジニアの需要は十分にありますが、需要は様々な要因で変動していくため、今後案件が見つかりづらくなる可能性はあります。競争が激しくなればより安価に高品質の仕事を提供するエンジニアと戦う必要が出てくるかもしれません。
- 時期による収入の変動: これは働き方にもよりますが、請負等で開発を行っている場合、依頼が多くなる月もあれば、全くこない月もあるかもしれません。そうなると先を見据えて資金に余裕を持っておく必要が出てきます。
上記のように、短期的なものから長期的なものまで、収入が不安定になる要因が存在します。
2. 保険や福利厚生がない
正社員との違いとして大きいのは、会社が提供してくれる保険や福利厚生がないということです。
保険について
多くの企業は、正社員に対して健康保険や雇用保険を提供しています。しかし、フリーランスエンジニアはこのような会社の保険の適用を受けることができません。
退職金や福利厚生について
正社員としての長期的なキャリアを積むと、退職時に退職金を受け取ることができる企業もあります。フリーランスの場合はそうした制度が存在しません。また、企業の福利厚生として提供される健康診断、子育て支援、レクリエーションなどもフリーランスエンジニアには適用されないため、自己負担でこれらのサービスを受ける必要があります。有給休暇の有無も大きいですね。
3. スキルのアップデートが必要
エンジニア全体に言えることではありますが、スキルを常にアップデートする必要があります。新しいプログラミング言語、フレームワーク、ツール等が登場し、現場で必要とされるスキルも変わっていきます。
特にフリーランスの場合は、自分のスキル1本で勝負することになるので、継続的な学習のプレッシャーがつきまといます。学習を継続するということは、時間と労力を投資し続ける必要があるということです。
4. 精神的に孤立しやすい
フリーランスエンジニアは自宅やカフェなど、オフィスではない環境で作業するケースがかなり多くなっています。そうなると必然的に一人で過ごす時間がほとんどになります。対面でのコミュニケーションが減少することで、孤立感を感じるリスクが生まれます。
コミュニケーションの減少
職場では、仕事上の会議だけでなく、他愛のない雑談や情報交換が自然と行われます。フリーランスエンジニアは、これらの対人関係の利点を失いがちで、特にリモートでの仕事が主体の場合、人と直接話す機会が仕事上では大幅に減少します。
チームで働く感覚の欠如
正社員としてチームに配属されて働いているエンジニアはチームの一員としての意識が強いと思います。フリーランスの場合そうした意識が薄くなるケースが多いです。ビジネス上の形式的な関係性だという感覚がどうしても強くなるように思います。会社によってはフリーランスも関係なくチームに溶け込んでいるようなところも見たことはありますが、一般的に言えばチームで働く感覚は薄くなるでしょう。
サポートシステムの欠如
会社員の場合、同僚や上司がサポートシステムとして機能します。一方でフリーランスは、困難に直面したときに助けを求める相手がいない、もしくは限られています。これはプレッシャーと孤独感を増加させる要因となりえます。
社交的な活動への参加減
会社員の場合、会社で開催される飲み会やイベント等に参加する機会が発生します。フリーランスでは、こういった社会的交流が減少しがちです。私個人は今でも会社員時代の同僚らと飲みに行くことはありますが、やはり同じ組織に所属していたときと比べれば頻度は減りますし、新しい関係性は生まれづらいとは感じますね。
5. 仕事と私生活の境界が薄くなる
フリーランスエンジニアは自分で働く時間や場所を決められるため、プライベートとの境界が曖昧になりやすいです。
「柔軟な勤務時間」「自宅での作業」といったことを嬉しく感じる方は多いと思いますが、その反面、ワークライフバランスを喪失しやすかったり、仕事以外のことに気が散って生産性が低下したりといった問題を引き起こす可能性があります。
特に怖いのはつい働きすぎてしまってリラックスする時間や趣味、家族との時間が犠牲になったり、燃え尽き症候群のようになってしまうことでしょう。
6. 契約トラブルの可能性がある
フリーランスとして企業と契約するパターンは何種類かありますが、正社員と比較すれば契約に関するトラブルに遭遇する可能性は上がります。
コロナ禍の影響でフリーランス自体が増えていることもあり、トラブルの事例は増加しているようです。分かりやすい例で言うと、報酬の未払いが起こったり、仕事上のトラブルで損害賠償を請求されたり、といったことです。
それぞれのリスクへの対策
ここまでネガティブな要因をつらつらと書いてきましたが、ここからそれらの対策について考えていきましょう。
1. 収入が不安定になりやすいことへの対策
1. 予算の計画を立てる
基本的なことですが、予算の計画をきちんと立てましょう。収入が一時的に途絶える可能性があることを考慮しながら、税金等の支払い等を考えておく必要があります。計画を立てておくことで不安を軽減できます。一定の蓄えを持っておいたり、余っている資金を投資に回したりと、計画的に立ち回ることが重要です。
2. 契約の種類を増やす
収入の不安定さに対処するために、全ての収入を一つのクライアントやプロジェクトに依存しないようにすることも有効です。異なるクライアントや業界、技術にまたがるプロジェクトを持つことができれば、一つの市場が下降しても他でカバーできるようになります。
私もこれはかなり意識していて、複数の案件の掛け持ちでフリーランスエンジニアを始めています。同じ期間に別の実績を積むことができ、かつどちらかの契約が切れても完全に収入が途絶えないというリスクヘッジにもなり有効だと考えました。
エンジニアの場合、色々なプログラミング言語を実務で経験しておくことは案件探しにおいて強みになるので、週2・週3のように案件が見つかりそうならこの方法はおすすめです。
3. 収入源を増やす
フリーランスエンジニアでは業務委託による企業との連携がメインかと思いますが、それ以外にも請負の契約を取れるようになっておいたり、自分の商品を持つようなことができれば理想的です。
わかりやすいのは個人でサービス開発をして収益を上げるような方法ですが、ハードルは高いため中長期で考えるべきでしょう。
それ以外にも自身が作成した技術系の教材を販売する手があります。例えばUdemy等の動画を販売できるプラットフォームを使ったり、テキスト教材を何らかの決済システムに乗せてPDFで売ったりもできるでしょう。noteやZenn等を使って有料記事を扱う方法もあります。
Udemy: https://www.udemy.com/ja/
note: https://note.com/
Zenn: https://zenn.dev/
3. 継続しやすそうな契約を確保する
長期的な関与ができそうな案件を確保することは、収入を安定させるうえで有効です。短期契約や一時的なプロジェクトよりも、長期的に契約が続けられそうかという点を重要視して案件を探すと良いです。
エージェントを上手く活用して、そういった観点で案件を紹介してもらうのが有効だと思います。長期に渡るプロジェクトの初期に一定の活躍ができれば、ドメイン知識も蓄積し初期設計を把握している人材として長く重宝されるような立ち回りもできるでしょう。
4. スキルを向上する習慣を身につける
技術の進歩は速いので、フリーランスエンジニアは常に最新のスキルを身につけるために学習を継続する必要があります。最新のスキルに追従できていることで掴めるチャンスもあります。単純に多様なスキルを持つことができれば、より多くのプロジェクトに対応できるようになります。スキル向上については後ろでより詳細に書きます。
5. 人脈を構築する
フリーランスとして働く上で、業界内でのネットワークはあったほうが当然楽です。同僚や以前のクライアント、業界イベントやオンラインコミュニティを通じて関係を築くことはやはり重要なことです。
私自身、友人のエンジニアのツテには助けられていますし、元同僚からも契約先を紹介してもらったりしています。以前正社員として働いていた会社と業務委託として契約する手もあり、私自身そういった声をかけていただき、結果としては契約しませんでしたが、かなりありがたいなと思いました。もし今正社員という状況なら働いている会社との契約からフリーランスを始めるのも悪くないと思います。
色々な繋がりから仕事が発生する可能性があるので、人脈は作っておくに越したことはないでしょう。ただ、正直人脈がない状態でもエージェントを活用すればフリーランスとして活動を始めることは難しくない状況ではあります。もちろん一定の経験があることは前提ですが。
最初はエージェントの力を借りながら徐々に人脈を広げていくのがこれから始めるフリーランスエンジニアの方にとってはスムーズでしょう。
2. 保険や福利厚生がないことへの対策
1. 個人での健康保険や年金の加入
対策というよりは、やっておかないとダメというレベルの話ですが、フリーランスエンジニアは自分で健康保険や国民年金への加入が必要です。
健康保険については、国民健康保険(国保)への加入が一般的です。または会社にいたときの健康保険を任意継続するという方法がとれる場合もあります。自分はこちらを採用しました。ただ、継続できる期間が決まっているため、いずれ国民健康保険に加入することになります。
年金に関しては、国民年金に切り替えましょう。詳細な手続きは自治体のウェブサイト等で確認することができます。
2. フリーランス専用の福利厚生プランへの参加
今はフリーランス専用の福利厚生サービスが色々あります。これらのサービスは、従業員と同等の福利厚生をフリーランスに提供することを目的としています。
例えば、割引価格での健康診断、フィットネスクラブの利用、レジャー施設の割引などが含まれます。こうしたプランに加入することで、フリーランスでも企業に勤める人々と同様の福利厚生を享受することが可能になります。
私は特にこうしたサービスは利用してないです。元々会社員だったころも福利厚生をそれほど活用しているわけではなかったので、正直あまり気になっていません。会社員のような福利厚生を受けたいという場合はそうしたサービスを調べてみることをおすすめします。
3. スキルのアップデートについての対策
1. 日々の情報収集
まずは日々の情報収集を習慣化しましょう。新しい技術を完全に使いこなすことができていなくても、何も知らないのと、名前くらいは聞いたことあるのとではかなり違います。
すでに自分なりの情報収集手段を持っている方も多いとは思いますが、そうでない場合、取っ掛かりとしてはXで有名エンジニアのアカウントをフォローしたり、はてなブックマークでテクノロジーカテゴリを見るようにしておくだけでもかなり変わると思います。
2. 学習のためのオンラインプラットフォームの活用
Coursera、Udemy、Pluralsightといった、多数のオンラインプラットフォームがあり、そこで新しい技術やプログラミング言語、フレームワークといったものを学ぶコースが提供されています。
一昔前と比較すると圧倒的に教材が充実していると思います。手軽に独学する手段の1つなので積極的に活用していきましょう。
Coursera: https://www.coursera.org/
Udemy: https://www.udemy.com/
Pluralsight: https://www.pluralsight.com/
3. 技術書を読む
やはり書籍での学習は効果が高いです。
技術書が優れているのは、知識を体系的に分かりやすくまとめている上に、多くの人のレビューが入った上で出版されているものだというところです。
ウェブで調べれば個別の情報は簡単に手に入るかもしれませんが、分かりやすく体系化されていることに書籍としての価値があります。古典的な名著から最新の技術に関する書籍まで、幅広く読んでいくとエンジニアとして確実に成長できるでしょう。
4. 公式ドキュメントやチュートリアルを読む
多くの技術はウェブ上に公式ドキュメントやチュートリアルが用意されています。これらを読むことでも多くを得られます。
ベテラン技術者ほど公式ドキュメントの重要性を説く人が多いです。少し調べて出てくる日本語の記事は、表面的な話に終始している場合がほとんどで間違いが載っていることも往々にしてあります。公式ドキュメントは詳細な部分まで載っているし、間違いの可能性も少ないです。
また、手軽にその技術の概要を知りたいという場合には公式のチュートリアルをざっとやってみるというのもおすすめの勉強法です。それだけでもその技術についてある程度の知識は手に入り、仕事を獲得する上でのアピールに使えたりします。
5. ワークショップ、セミナー、カンファレンスへの参加
業界のイベントに参加することは、単純に知識を得るということに加えて、人脈構築にも繋がる可能性があり、さらに自身のモチベーションUPも期待できます。
オンラインのイベントに参加してみるのが手軽なので、まずはそこから始めてみるとよいでしょう。最新の技術トレンドやベストプラクティスを追うのにも適しています。
6. 技術コミュニティやフォーラムへの参加
たいていの技術には、技術コミュニティやフォーラムがあります。そこに参加してやり取りを見ておくだけでも面白いです。
また、その技術に精通した技術者とコミュニケーションを取ることも可能です。特に気になる技術はそうした方法で情報を得るのもおすすめです。
4. 精神的に孤立しやすいことへの対策
1. 自宅以外に働ける場所を持つ
フリーランスエンジニアは自宅で一人でずっと作業できてしまうため、それが孤独感に繋がるかもしれません。そのため、自宅以外の仕事場所を持っておくことはおすすめです。
例えばコワーキングスペースであったり、作業しやすいカフェでもいいでしょう。周りに人がいる環境で仕事をすることで気分が変わるはずです。
また、単純に集中力もUPします。場所を変えるだけで脳がリフレッシュして集中しやすくなることは経験したことがあるのではないでしょうか。
いくつか仕事ができる場所を自宅以外に持っておくことはおすすめです。
2. コミュニティやイベントへの参加
先ほども触れた、技術系のイベント、ミートアップ、セミナーのような同じ技術のプロフェッショナルと繋がるチャンスに参加するのはおすすめです。
人との繋がりを持つことにもなりますし、先述の通り孤独感の解消にも繋がります。多くのイベントが開催されているので、まずは参加しやすそうなものから参加してみると良いでしょう。
3. ワークライフバランスの確保
生活が仕事ばかりになってしまうとどうしても一人の時間が多くなり孤独感を感じやすくなります。休息の時間に加えて趣味の時間を確保することで、ワークライフバランスを保ちましょう。
オーバーワークで精神的に追い込まれることもあります。無理をせず継続可能なスタイルで仕事ができるように計画を立てましょう。
4. SNSやブログの活用
SNSやブログで自分自身の知識や経験を共有する機会を増やすことで、それに共感する仲間を見つけられるかもしれません。
発信の内容は仕事に関することでも趣味に関することでもよく、自分が関心を持つ事柄でアウトプットしていると、同じような関心事を持つ人から反応が返ってくることで他人との繋がりを感じやすくなるでしょう。
5. 新しい友達・仲間を作る
会社にいるときはなんとなく同僚や上司・部下といった関係性の人がいて、仕事でコミュニケーションを取る機会が強制的に作られます。そういった人たちと自然に仲良くなることもあったかもしれません。
フリーランスはそういった機会が少ないです。契約している企業の方とのコミュニケーションも当然ありますが、やはり同じ正社員という立場なのか、業務委託として関わっているのかでだいぶ心持ちが変わります。お互いにそうです。
なので、全く別の文脈で新しい友達や仲間を作る機会を持つことをおすすめします。
趣味の集まりは今やネットで探せばいくらでも見つかります。他にもフリーランス同士が繋がれるようなコミュニティで、同じような志を持つ仲間を見つけられるかもしれません。とにかく新しい関係性を築く機会を持つことを意識すると良いと思います。
5. 仕事と私生活の境界が薄くなることへの対策
1. 仕事用のスペースを確保する
自宅で作業するうえで気をつけたいのは、仕事をするスペースとプライベートのスペースの境界を明確に区別することです。これをするだけでオンオフの切り替えが楽になります。
悪い例として、私の知人は仕事スペースでゲームができる状態を作ってしまい、仕事に集中できなくなったというような話があります。
完全に切り離すのが難しくてもできるだけスペースを分けることを意識すると良いでしょう。
2. 固定のスケジュールを設定する
時間的にも、仕事とプライベートの時間に明確な区切りを設けることが重要です。
分かりやすい設定の仕方は夜19時以降は一切仕事をしない、といったものです。こうすることで仕事に対する締め切り効果も発生し生産性が高まりやすいですし、夜の時間は完全に自分の時間として守られるので、ワークライフバランスが崩壊することも防げます。
とはいえ、この設定を守るための自制は必要です。キリが悪いしちょっとくらい時間を過ぎてもいいだろう、というような考えになってしまうかもしれません。それをやってしまうとなあなあになってスケジュールが崩壊してしまいます。
私は、夜の時間は仕事のことは基本的に締め出しています。「やり残しはまた明日の朝考えればいいし、もしそれが原因で能力が低いと評価されても、それが自分の実力だから仕方ない」というような考えでやっています。
この考え方は無駄に苦しまなくて済むので楽です。結果、仕事に対するモチベーションも維持できて、生産性も下がりません。
3. 休息・リラックスの時間の確保
上記の通り、仕事の時間はここまでと完全に区切ることをするのに加えて、休息やリラックスの時間をスケジューリングしておくのも重要です。
まず睡眠時間だけは死守しましょう。睡眠不足はあらゆる不調の原因になります。仕事に睡眠時間を侵食させないのは絶対ですし、趣味に熱中して寝不足が続くというようなことも注意したいところです。あらかじめ睡眠時間を十分に確保した上で他のスケジュールを決めるといいでしょう。
また、運動や趣味の時間のスケジューリングもしておきたいところです。運動の効果について話し出すと長くなってしまうのでここでは割愛しますが、運動は本当に習慣化をおすすめします。パフォーマンスが格段に変わりますし、健康面の問題が発生する確率を減らせます。これはフリーランスにとっては特に大きいです。
趣味の時間をちゃんと抑えておくことで生活への満足度がかなり変わるはずです。仕事が忙しくて大好きな趣味に時間を割けない、というのでは日々楽しくないでしょう。
もちろん、ソフトウェア開発が大好きで、趣味としてもやっているんだという場合は、ほぼ仕事が趣味みたいなことになってきますが、それでも趣味でやる開発と仕事での開発は分離すべきだと個人的には考えます。
仕事で与えられることではなく、自分がやりたいと思うことに時間を使うようにすべきということです。自分が人生でやりたいことが、なんとなく仕事で犠牲になっているとしたらそれは本当に残念なことだと個人的には思います。なので、しっかり自分のための時間を確保するということをしてほしいです。
6. 契約トラブルの対策
1. エージェントを使う
無難に進めるならエージェントを使うのが手っ取り早いです。
フリーランスエンジニアのエージェントは色々あって、仕事を探す面でも活用できますし、契約や契約先とのコミュニケーション等、仕事を進める上での諸々のサポートが入るので最初にフリーで仕事をする際にはエージェントを挟むのが楽だと思います。
契約のトラブルについても当然サポートしてくれますし、そのあたりの経験値は豊富なためある程度頼れると思います。(もちろんトラブルの内容にも寄りますが)
自分はエージェントを挟んだ契約と直接契約の両方経験していますが、勝手が分かるまではエージェントの存在はかなりありがたかったです。ただし、直接契約は間を挟まない分の単価UPを主張できるのは捨てきれないメリットだと思います。
直接契約で臨むぞという方は以下に挙げる項目を参考にしてください。
2. 契約先の見極め
いざ直接契約を結ぶとなったときは、契約する相手は慎重に吟味しましょう。
安心できるのは信頼できる知人の紹介でしょう。特に実際に働いている友人の紹介であれば内情もある程度は事前に分かります。
企業の外部的な情報を調査しておくのも重要です。明らかに怪しい企業であれば契約はやめておいたほうが良いでしょう。
あとは実際にコミュニケーションを取ってみて、仕事を進める上で円滑にコミュニケーションできそうか、良好な関係を築けそうか、といったところを確認しましょう。
意外と大事だと思うのが直感的な部分です。なんか嫌な感じがするなと思ったら契約を避けても良いでしょう。エンジニアの案件はたくさんあるので。
3. 綿密なコミュニケーション
契約先と良好な信頼関係を築いてしまうのが対策としてはベストです。信頼感を持ってもらえればトラブルに発展しづらいですし、トラブルによるダメージも少なく済みます。
基本的なことですが、定期的な状況の共有や問題が起こったときの素早い報告など、そういった積み重ねが重要です。少しでもいい関係性を作れるよう努力する意識が大事でしょう。
4. 契約書の作成
当たり前のことに思われるかもしれませんが、ちゃんと契約書を締結するようにしましょう。
実は契約を結ぶことに契約書の作成は必須ではありません。口約束でも契約はできてしまいます。実際に口頭で契約しているフリーランスは意外と多いようです。
2020年のデータにはなりますが、フリーランス白書によると企業と「直接契約する場合の契約手段」として口頭を選択している人が3割程度存在することが分かります。
https://blog.freelance-jp.org/wp-content/uploads/2020/06/2020_0612_hakusho.pdf
契約内容を明確に残すことで後の不要なトラブルを避けることに繋がるので、面倒に感じても契約書は作成するようにしましょう。
5. 専門家の力を借りる
契約を結ぶ段階や、トラブルに発展してしまった場合は、専門家の力を借りるのも手です。フリーランスの相談窓口などもあり、困ったときにはありがたい存在でしょう。
https://freelance110.jp/ (フリーランス・トラブル100番)
契約書を結ぶ段階で専門家に契約書をチェックしてもらうという頼り方もあります。ココナラ等のサービスで契約書のチェックを行うサービスを提供している専門家の方々がいらっしゃるので、不安であれば頼ってみても良いでしょう。
まとめ
フリーランスエンジニアとして上手くやっていくには、リスクを理解し、それに対する適切な対策を講じておくことが重要です。知っておくべき知識や、サポートしてくれるサービス等色々あるので、情報を整理しておくことが大事です。
適切なリスク対策をしながら、フリーランスとしてのキャリアを築き上げていきましょう!