「フリーランスって若いうちしか稼げないんじゃないの?」
そんな声をよく耳にします。実際に私も会社員だった頃はそう思っていました。
けれど独立してからは、年齢そのものより“動き方”が大事だと痛感しています。今日は、統計と自分の体験を交えながら「フリーランスエンジニアの寿命」の実情をまとめてみました。
フリーランスに“定年”はあるのか?
まずは2024年の年齢分布をどうぞ。
40 代がもっとも多く、50 代も 4 人に 1 人。60 代以上もいます。
これを見ると「若くないと続けられない」というのは数字の上では根拠薄めです。
私の場合
30 代前半で独立しましたが、年齢を理由に案件を断られたことはありません。むしろ「即戦力だけどフットワークも軽い年頃」と前向きにとらえてもらえるケースが多いです。
“35 歳限界説”の正体
「エンジニアは 35 歳で終わり」という伝説、たまに聞きますよね。
もともとは企業の人事制度や当時の働き方(徹夜が当たり前だった時代)から生まれた説だと言われています。
- 管理職コースへの分岐点が 30 代半ば付近に集中
- 技術トレンドの移り変わりが激しかった 2000 年代初頭
- 長時間労働と体力勝負の文化
いまはリモートワークも学習インフラも整い、当時の前提がすっかり変わりました。「35 歳」で線を引く理由は、少なくともフリーランスには見当たりません。
年代ごとの強みと課題
年代 | ここが強み | 気をつけたい点 |
---|---|---|
20 代 | 吸収が速く、失敗も許されやすい | 実績が少なく単価が低め |
30 代 | スキルが安定し、単価も上がりやすい | 家庭や学習時間のバランス |
40 代 | 実務経験と信頼が武器 | 新技術へのキャッチアップ |
50 代〜 | コンサルやリーダー業務で価値発揮 | 体力・健康管理 |
私が独立を決めた 30 代は、スキルと体力のバランスがちょうど良かったと感じています。若い頃のように「教えてもらう」フェーズを卒業し、自走力がついたタイミングでした。
年齢で不利になるポイントはこの3つ
ちょっと意外かもしれませんが、年齢より「どうやって仕事を取るか」のほうが影響は大きいです。データを見ると人脈と過去の取引先がダントツ。逆に言えば、年齢を理由に門前払いされる前に「この人となら仕事がしやすい」と感じてもらえる関係づくりが先決です。
私の場合もずっと付き合いのあるエンジニアの友人や、過去の同僚から案件をもらうことがあります。すでに信頼関係が築かれているので仕事を頼みやすいというのは大きいです。年齢以上にそうした信頼関係が構築されている仕事仲間の存在が重要だと言えそうです。
かといって、他の経路では年齢がネックになるのかというとそういうわけでもないと思います。以前働いていた会社ではエージェント経由で入った50代の業務委託のエンジニアが活躍していました。
“無理しない”が長く続けるコツ
最新調査では、フリーランスの 3 人に 2 人が今の働き方に満足しています。それでも「体力がきつい」「収入が不安定」という声は残ります。
私は次のルールで自衛しています。
- 体調を削るような案件は受けない
- 専門外は正直に伝え、必要ならスパッと撤退
こういったルールに守られる場面は多いです。私の場合は無理して仕事を引き受けがちな性格なので、あえてこうしたルールを意識しています。
この先どうする?
正直、私は具体的な“引退プラン”をまだ立てていません。
ただ、業務委託オンリーには依存しないという方向性で動いています。講師業や情報発信、アプリ・サービス開発など、複数の収入源を少しずつ検証しています。
まとめ
- フリーランスエンジニアに「定年」はない
- 年齢より 動き方と学び続ける姿勢 が寿命を決める
- 無理しない働き方と小さな学習習慣でキャリアは何歳でも伸ばせる
もし迷っているなら、小さく始めてみるのがいちばん早いと思います。まずは副業からでも手ごたえは十分掴めるはずです。
お役に立てば幸いです。
参考データ
- フリーランス協会『フリーランス白書 2024』
(https://blog.freelance-jp.org/whitepaper/FreelanceSurvey2024.pdf)- 内閣官房『フリーランス実態調査 2020』
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/freelance/dai1/siryou13.pdf?utm_source=chatgpt.com)