AIにコードを書かせるようになって始めた「賢いサボり」のすすめ

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はじめに

最近はAIにコードを書かせることがかなり増えてきました。思っていたよりもずっと使えることに驚いています。

確かに完璧ではありません。修正は必要ですし、ロジックを説明する必要もあります。それでも、以前なら一日かかっていた作業が数時間で終わったりします。頭の中で延々とループしていた実装の悩みから、少しだけ解放されました。

ふと気づきます。浮いた時間で、何をすべきなんだろう。

メールチェック?次のタスク?それとも新しいツールの学習?

いや、違います。もっと単純なことをしましょう

この記事では、AIがコードを書いてくれるようになった今、その時間をどう使うべきかということについて思うことを書きます。

すでにAIツールを使っているエンジニアの方や、今後AIを活用していきたいと考えているエンジニアの方にぜひ読んでいただきたいです。

浮いた時間の「正しい」使い方

AIによってコーディング時間が短縮されると、多くのエンジニアが陥りがちな罠があります。それは、浮いた時間をすぐに別のタスクで埋めてしまうことです。

「効率化によって時間ができたなら、もっと多くのタスクをこなせるはず」

そう考えるのは自然です。しかし、これは最適解ではないと私は思います。

では何をすべきかといえば「賢くサボる」ということです。

休息の重要性と科学的根拠

脳科学の研究によると、人間の脳は意識的に何もしていない時間「デフォルトモードネットワーク」が活性化します。この状態で脳は情報の整理統合、記憶の定着、創造的なアイデアの生成を行っています。

つまり、ボーッとしている時間は決して無駄ではないのです。むしろ、次の高品質なアウトプットを生み出すための必要な準備時間と言えるでしょう。

私自身、AIがコードを書いている間にデスクを離れ、コーヒーを淹れながらぼんやりしていると、実装で詰まっていた部分の解決策が頭に浮かぶというような経験が何度もあります。

創造性を育む空白時間

空白時間の重要性自体は以前から知られていました。

しかし、多くのエンジニアが「手を止める」ことに対して強い不安を感じていたのではないでしょうか。デッドラインに追われる中で、コードを書いていない時間は「何も進んでいない時間」として罪悪感の対象になりがちでした。

ところが、AIが登場したことで状況が変わりました。自分が手を止めていても、AIが実際にコードを書き続けてくれているのです。この安心感は、心理的に大きな変化をもたらします。作業が完全に停止するわけではないという事実が、私たちに堂々と休息を取る許可を与えてくれるのです。

常にタスクに追われている状態では、私たちの思考は既存の枠組みに縛られがちです。一方で、時間的な余裕があると、これまでとは違う角度から問題を捉えたり、一見関係のない分野からヒントを得たりする機会が生まれます。

長期的なパフォーマンス向上への投資

短期的には生産性が下がるように見えても、適度な休息は長期的なパフォーマンス向上をもたらします。

燃え尽き症候群の予防 常に高い集中状態を維持しようとすると、いずれ燃え尽きてしまいます。AIが作業を代行してくれる時間を休息に使うことで、持続可能な働き方が実現できます。

学習効率の向上 詰め込み学習よりも、適度な間隔を空けた学習の方が記憶に定着することが知られています。AIツールの活用法についても、実際に使った後に一息つき、体験を振り返る時間があることで、より深い理解と応用力が身につきます。

問題解決能力の強化 難しい問題に直面したとき、一度その問題から離れることで新しい視点を得られることがあります。AIがコードを書いている間に別のことを考えたり、散歩したりすることで、思わぬ解決策が見つかる可能性が高まります。

具体的な「正しい」時間の使い方

では、具体的にどのように時間を使えばよいのでしょうか。

1. 意識的な休憩 AIが動いている間、スマートフォンを見るのではなく、目を閉じて深呼吸をしたり、窓の外を眺めたりしましょう。5分でも10分でも構いません。

2. 軽い運動 デスクから離れて軽くストレッチをしたり、オフィス内を歩いたりすることで、血流を改善し、脳の活性化を促します。

3. 雑談やコミュニケーション 同僚との何気ない会話は、新しいアイデアの源泉になることがあります。チームの結束も深まります。

4. 興味のあることへの探求 技術的な内容でなくても、自分が興味を持っていることについて調べたり考えたりする時間も価値があります。異分野の知識が思わぬところで役立つこともあります。

重要なのは、この時間を罪悪感なく過ごすことです。サボっているのではなく、より良い成果を出すための投資をしているのだと認識することが大切です。

まとめ

AIにコードを書かせるようになって得た最大の気づきは、効率化の真の価値は「より多くのタスクをこなすこと」ではなく、「より質の高い思考と創造の時間を確保すること」にあるということでした。

賢いサボりとは、戦略的な休息です。

AIが作業している間に取る空白時間は、決して怠惰ではありません。創造性や長期的なパフォーマンスの観点からも、効果の高い投資なのです。

これまで「手を止める」ことに不安を感じていた方も、AIという心強いパートナーがいることで、安心して休息を取れるようになったはずです。この心理的な変化こそが、AIツールがもたらした最も価値ある贈り物かもしれません。