今回は「準備なしでもフリーランスエンジニアとして成功できるのか?」というテーマでお話ししていきます。
結論からいうと、私は貯金もほぼなく、特別な準備もせずにフリーランスになりました。 そして今、週4勤務というゆとりある働き方を実現しています。この記事では、その経緯や苦労した点、意外と大丈夫だった点などをリアルにお伝えします。これからフリーランスを目指す方の参考になれば幸いです。
フリーランスになろうと決めた瞬間

会社に所属することの窮屈さ——これが私のフリーランス転身の最大の理由です。
2年ほど前から「いつかフリーランスになりたいな」という漠然とした思いはありました。当時はチームリーダーのポジションで、それなりの責任を背負っていましたし、このまま会社にいれば責任はどんどん増していくことが見えていました。
そんな状況の中、ある日突然「もういいや、失敗してもいいから挑戦してみよう」という強い気持ちに変わりました。具体的なきっかけは思い出せないのですが、組織の中でのプレッシャーや窮屈さが、どんどん自分を追い詰めていった結果だと思います。
私の場合、会社での立場が上がることやマネジメント業務が増えることは、自分の望む方向性ではありませんでした。技術を扱いつつも、もっと自由な立場で働きたい——その思いが日に日に強くなり、ついに行動に移したのです。
最初の案件獲得までの道のり

フリーランスになると決めたものの、次の仕事が決まっているわけではありません。まずは案件探しから始めました。
案件獲得の方法
私が実践したのは主に二つの方法です:
- フリーランスエージェントへの登録 私はもともと週2案件と週3案件を掛け持ちしたいと考えていたので、エージェントにはそのどちらかを探していることを伝えました。面談では「週3がMAXです」という形で伝えていましたが、これが意外と難しかったです。多くの企業は週5での稼働を望んでいるため、稼働が少ないという理由で見送られることが何件かありました。
- 友人からの紹介 フリーランスになる話を友人にしたところ、「うちで働かないか?」と声をかけてもらえました。これは本当にありがたかったです。週2の案件がエージェント経由だと特に取りづらかったので、友人の会社で週2、エージェント経由で週3の案件を見つけるという形になりました。
不安との向き合い方
会社を辞めた後は、次の仕事が100%決まっているわけではないので、当然不安はありました。エージェントを通して何社か面談しましたが、条件が合わなかったりして契約まで至らないことが何件かあり、そのときは特に不安が大きかったです。
ただ、私の場合は「最悪、友人の会社で週5で働かせてもらおう」という逃げ道があったので、それが精神的な支えになりました。また、「いざとなったら会社員に戻ろう」という考えもありました。こういった心の保険があると、多少の失敗も恐れずに挑戦できると思います。
特に蓄えがほとんどなかった私にとって、税金や健康保険料などの支払いができるかどうかという不安は大きかったです。「ちょっと間違えたら支払いできなくなるな」と思っていましたが、実際にやってみると思ったよりもスムーズに進みました。あらかじめざっくりとは計算していてそこから大きくはズレずに済みました。
案件獲得までの期間
最初の案件を獲得するまでにかかった期間は約1ヶ月です。勤めていた会社の有休消化の期間で案件を探しました。何社か面談して、条件が合わないケースもありましたが、最終的に反応の良いクライアントに出会えて契約することができました。
予想以上に簡単だったこと

フリーランスになる前は、いろいろと不安要素がありましたが、実際にやってみると意外と簡単だったことがいくつかあります。
引っ越しの審査
フリーランスになってから引っ越しをしたのですが、審査が通りにくいのではと心配していました。年収に対して挑戦的な家賃の物件だったのですが、あっさりと審査に通り、拍子抜けしました。フリーランスだからといって、必ずしも不利になるわけではないようです。
事務作業の負担
フリーランスになると事務作業が面倒だというイメージがありましたが、私は意外とそういう作業が苦にならないことに気づきました。むしろ、確定申告をして事業の収支が明確になる感覚は、気持ち良いものでした。自分のビジネスを客観的に見られる機会にもなります。
見切り発車でも大丈夫だった理由
私がほとんど準備なしでフリーランスに転身できた理由をいくつか考えてみました:
- エンジニアとしての経験があった 9年のエンジニア経験と、大学・大学院の情報系の学科で勉強した経験は、技術力の証明になりました。特に複雑なコードを読み解く能力や論理的に考える力は、クライアントからの信頼につながったと思います。
- 現実的な妥協点を持っていた 「どうしても週2、週3でなければならない」という固執ではなく、「最悪週5でもいい」という妥協点を持っていたことで、精神的にも楽でした。 いざとなったら会社勤めに戻ればいいし、それも無理なら家賃の安い田舎に行こうとも思っていました。
- 友人という味方がいた 友人からの案件紹介は大きな助けでした。 正直、仕事を探すのに友人を頼ろうとは全く思っていませんでした。人脈というのは、思わぬところでチャンスを与えてくれるものです。
- エンジニア需要の高さ エンジニアという職種は、まだまだ需要が高いです。これはフリーランスになりやすい条件の一つでしょう。
今から考えると準備しておくべきだったこと

正直なところ、「これは準備しておけばよかった」と強く思うことはありません。むしろ、「もっと早く始めてもよかったな」と思うくらいです。
ただ、あえて言うなら:
- より多くの企業と面談し、条件交渉の経験を積んでおく
- フリーランスのコミュニティに事前に参加して情報収集する
- 会社員時代に副業で小さな案件を受けてみる
といったことが挙げられるかもしれません。
まとめ:「見切り発車」も悪くない
私の経験から言えることは、「完璧な準備ができてから始める」必要はないということです。もちろん、貯金があれば安心感は大きいですし、事前に情報収集をしておくに越したことはありません。
しかし、「準備が足りない」という理由で踏み出せないでいるなら、思い切って飛び込んでみるのも一つの選択肢です。特にエンジニアであれば、市場の需要もありますし、最悪の場合は会社員に戻るという選択肢も常にあります。
私のようにゆとりを持って働きたい、自分のペースで仕事をしたいと思っているなら、フリーランスという選択は非常に魅力的です。準備不足を恐れるよりも、新しい働き方の可能性に目を向けてみてはいかがでしょうか。